平成19年9月2日日曜日

広報補佐官はもういらない? 世耕氏は退任、後任なし

安倍内閣の広報戦略を担う「看板」として任命された広報担当の世耕弘成・前首相補佐官(参院議員)が先の内閣改造に伴って退任した。首相は後任を置かず、官邸の情報発信について「今後は新しい態勢でしっかりと取り組んでいきたい」と記者団に語った。 内閣のメールマガジンは8月30日配信分から、編集長が世耕氏から大野松茂官房副長官(衆院出身)に代わった。安倍内閣発足前の態勢に戻った形だ。大野氏はメルマガの中で「身の引き締まる思い。安倍内閣と皆さんとの対話の場としてさらによいものにしたい」と抱負を語った。だが、広報について経験があるわけではない。 首相は昨年9月の政権発足当時、官邸機能強化策の一環として、側近でNTTの報道担当課長の経験もある世耕氏を補佐官に起用した。世耕氏はメルマガの編集だけでなく、外務省に任せていた首脳会談の内容説明や、記者会見での首相発言の助言など、対外発信に深くかかわってきた。 さらに、世耕氏は首相が掲げてきた「美しい国づくり」に取り組むための有識者の企画会議を仕切る立場でもあった。この役割も、大野氏か岩城光英官房副長官(参院出身)のいずれかが担う方向で検討されている。 首相は内閣改造後の記者会見で、広報担当を含む補佐官を5人から2人に減らしたことについて「役割を終えた」と説明した。だが広報戦略に通じた世耕氏を再任しなかったのは、参院選前に強かった与党内の「お友達内閣」批判を意識したとの見方がもっぱらだ。 世耕氏は30日のメルマガで「これからは一人の読者としてこのメールマガジンを見守っていきたい」と書いた。

0 件のコメント:

コメントを投稿

登録 コメントの投稿 [Atom]

<< ホーム